因果関係の意味を正確に理解する -因果関係成立の3つの要件-

 あなたは因果関係の意味を正確に理解しているでしょうか?

 因果関係とは簡単に言うと、~をすれば~となる、といったことであり、 最初の~をx、結果~をyとした場合、xはyの原因である、または、 xの結果yとなるといったような関係となります。

 今あなたは「何を当たり前のことを」と思っているでしょう。 しかし、もしこの「因果関係」について正確に理解していない場合、日常の 生活においてとても困ったことになってしまうのです。

 普段生活している中で、「なぜ仕事(や勉強、恋愛等なんでも)がうまくいかないのだろうか」と考え、 「これこれこういった原因で上手くいかないから、この原因を取り除こう」と行動に移すことは ないでしょうか。もしあなたが何らかの悩みを持っていたり、また、何かしらに おいて成功したいと思っていれば、大体似たようなことをしているはずです。  例えば、「営業成績が悪いのは、販売する商品の知識が足りないからだ。商品の知識を つけよう」という具合です。

 しかし、もし結果に対する原因に間違えがあればどうでしょうか。営業成績が悪い原因 が商品知識の少なさではなく、営業トークに問題があった場合は、商品知識をいくらつけても 営業成績は良くなりません。

 つまり、私たちの普段の思考や行動には因果関係が密接に関わっており、それは 生活の中での指針となっています。そして、因果関係とはどういうものなのか を知らないと、日々の生活で困ったことになってしまうのです。

因果関係の意味を理解するとは

 因果関係の意味を理解するとは、「因果関係が因果関係として成立する要件」を 理解する、ということです。  この因果関係の成立の要件を理解すれば、思いつきや浅はかな 理屈に惑わされず、真の原因を特定することにつながります。  もちろん、簡単に真の原因を簡単に特定できる、ということではありませんが、 少なくとも、原因に大きな間違えがあれば自分自身の力でそれに気づくことができるようになるでしょう。

 もし今の時点で、何らかの問題を抱えている人は、その問題の原因を思いつくままに 一つ挙げてみてください。(なぜスポーツの試合で負けてしまったのか、なぜ 体調が悪いのか、なぜ彼氏・彼女ができないのか、、等々)

 そして、この記事を読んだ後にもう一度考え直してみてください。一歩でも真の原因に 近づくことができれば、と思います。

因果関係成立の3つの要件

 xとyに因果関係(xが原因でyが結果)があると言う場合、 具体的には下記の3つの要件が成立している必要があります。

  1. xの後にyが発生すること  時間的にxの後にyが発生するということです。 例えば、「糖尿病患者にはカップラーメン好きが多い」と聞いて どう感じるでしょうか。もしかして「糖尿病を患った人はカップラーメン が好きになる!」とは思っていませんよね。 ここでは、「カップラーメンが好きであるために、糖尿病になった」というほうが 正しく、先の例では時間的順序が逆になっています。

  2. xである場合yであり、xでない場合yではないこと  「犯罪者の98%はパンを食べている」という文章を見たとき、あなたはどう思うでしょうか。 また「深夜アニメが好きな人は、犯罪に走りやすい」というよくある勘違いも同様ですが、 これらの命題には因果関係はありません。 犯罪者ではない人はパンを食べていないのでしょうか。また、深夜アニメが嫌いな人は 犯罪を犯しにくいでしょうか。どちらもYesとは言えません。

  3. yを引き起こした原因としてx以外がないこと  ある会社員がお酒を飲みすぎ、終電を逃してタクシーで帰宅することに なったとします。タクシーでの帰宅には時間がかかり、家についたころ にはすっかり気持ちが悪くなり、帰宅後すぐに酔い止めを飲みました。 この会社員が酔い止めを飲んだ背景には、タクシーに長時間乗ったことで 車酔いをした、という関係がありますがこれは因果関係と言えるでしょうか。 因果関係の最後の成立条件として、「yを引き起こした原因としてx以外がないこと」 がありますが、この会社員が気持ち悪くなった原因はタクシーに長時間のったこと 以外にも、もしかしたら「お酒を飲みすぎた」ことがあるかもしれません。 つまり、タクシーの長時間の乗車が原因ではなく、お酒を飲みすぎたことが気分が 悪くなった原因ということです。

もし因果関係について正確に理解していたら

 先ほどの、気分が悪くなった会社員が、「なぜ今気分が悪くなったのだろうか」と 考えた時に、短絡的にタクシーに乗ったから車酔いをしたと判断するより前に、 「気分が悪くなる前になにをしたか」、「車に乗っていなかったら気持ち悪くなっていなかったのか」、 「たった今タクシーに乗ったが、それ以外に気持ち悪くなる原因はないか」と考える ことができたのなら、酔い止めを飲むという解決策ではなく、体内のアルコール度数を 低めるために水を飲むことやアルコールを分解する栄養ドリンクを飲むといった、行動に 近づけたのではないでしょうか。

 このように因果関係について正しく理解しておくことは日常生活で役に立つことなのです。


おすすめ記事
© 2016-2017 Fridles All Rights Reserved.